先日、とある製薬ベンチャー企業のIR説明会に行って参りました。
その企業では、いくつかの新薬を自社で開発・販売(予定)をしていおり、その中の1つに「NASH(非アルコール性脂肪性肝炎)」に適応を持つ新薬がありました。
NASHという言葉は初めてだったのですが、良く身近で聞く(管理人も実際にそう言われた事のある)「脂肪肝」から更に進行した状態「肝炎」で、原因としてアルコール以外に起因する場合をそう呼んでいるそうです。
その企業が開発しているNASHに適応する新薬は、基本的に炎症を抑えて肝炎の症状を軽減し、肝細胞の繊維化=肝硬変を抑える働きがあるとか。
ま、効能はさておき(をいをい)、その会社の「売り」は何かと言うと、「米国で優先的に審査を行ってもらえる権利を複数有する」こと、でした。
新薬の開発には必ず臨床試験を行った上で、FDA(米国食品医薬品局)の認可が下りないと、販売出来ません。
そのための審査があるのですが、通常は1年かかるところを、半年で受ける事ができる権利、というのがあるようです。
「ファストトラック」って言ってましたが・・・どっかのレジャーランドと一緒かよ;^_^A
その権利を複数持っているベンチャーは米国でも数少なく、日本では皆無とのこと。
ま、その辺も横に置いといて・・・
面白かったのは、新薬開発の考え方でした。
新薬は認可が降りてしまえば終わりではなく、その後、その適応範囲を如何に広げて行くか、という点に置いても重要だとのことでした。
例えば、咳に効く薬を発売した後、同じ薬が癌にも効く、となったら、新たな需要が一気に増えることになります。
また、同時に複数の適応範囲で申請すると、その分時間もかかるため、まずは一番通りやすい適応範囲でのみ認可をもらって、販売を始めてから、徐々に適応範囲を広げて行く、と言った手法をとるとの事でした。
一言で新薬と言っても、実際に販売にこぎ着けるまでは相当いばらの道のようで、新薬の開発を始めて認可が下りるまでの確率は数千分の一とも聞きました。
ちなみにその企業では、現在8つの新薬開発を行っていて、全てフェーズ2aまたはbの段階(健常者または実際に症状のある患者に対する臨床段階)だそうです。
自社開発する理由は、やはりリターンの大きさがメリットだと仰ってました。
ちなみにその企業が開発中のNASH適応薬は、それ以外に「IPF(持続性肺繊維症)」という病気にも適応があって、同時に臨床試験を進めているとか。
他にも色々と話を聞いてきましたが、製薬ベンチャーのお話は非常に興味深いものでした。
残念ながらその企業では、糖尿病に直接関わる薬の開発はしていませんでしたが。(^^;
あ、ちなみに管理人は「薬」の話を聞きに行ったわけではなく、「一個人投資家」として説明会に参加してきました。
ええ、これでも一応「個人投資家」なんですよ、実は。
飲んだら一発で膵臓治っちゃう薬なんか出来るんだったら、投資しちゃうかもしれません・・・
今日も一日ごちそうさまでした。
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