「酒は飲んでも呑まれるな」
よく知られている格言ですな。
「酒は百薬の長」なんてのもありますが、これはちょっと過大評価だと思ってます。
何れにしても、アルコールを摂取するといろいろな効果が身体に現れます。
まず、アルコールそのものは胃で2割程度、残りはほぼ小腸で吸収されます。
ちなみに胃で吸収されるのはアルコールくらいのようで、それ以外の水を含むほぼ全ては小腸以降で吸収されるようです。
つまり、アルコールは胃でも吸収されるため、肝臓にすぐ運ばれずに血中にそのまま入り込むことになるわけです。
そもそも胃の役割は「飲食物を溜め込んで胃酸などの分泌や酵素で漬けておいて、小腸で消化しやすいようにする」といったものですから、当然、飲んだアルコールもしばらく胃に滞留します。
そのため飲んだうちの2割程度(実際はもっとかもしれませんが)のアルコールがそこで吸収され、結果的に血中濃度が上がるわけです。
また、アルコール(エタノール)はアセトアルデヒドを経て酢酸に代謝され、最終的にはエネルギーとなって水と二酸化炭素になります。
その中間生成物であるアセトアルデヒドが酔いの原因でもあるので、やはり胃で一部が一次分解されて吸収されていることは間違いないようです。
この一次分解をする酵素がADH(アルコールデヒドロゲナーゼ=アルコール脱水酵素)というもので、小腸と胃を含めて全身にも存在するそうです。
さて、胃で一部分解はされたものの残りは全て小腸へと運ばれ、一次分解されつつ吸収されていきます。
この一次分解されたアセトアルデヒドは人にとっては毒物なので、早急に分解してしまわないとなりません。
これを担う酵素がALDH(アセトアルデヒドデヒドロゲナーゼ=アセトアルデヒド脱水素酵素)です。
これも全身のALDHのうち95%が肝臓に存在すると言われています。
そのため肝臓はアセトアルデヒドを分解するために、フル回転することになります。
その間、当然ですが、胃や小腸で一次分解されたアセトアルデヒドや、そもそも一次分解スラされないまま吸収されたエタノールも血中に入ってくるので、人は「酔う」のです。
ちなみにALDHはその種類によって1〜7くらいまであるようで、その中でもアセトアルデヒドの濃度が高い時に活性化する(つまり仕事する)ALDH1と、濃度が低くても活性化するALDH2が特に役割をになっているとのことですが、日本人の4割が「活性の低いALDH2」を持つことが知られていて、つまりアルコールに弱い人がそれにあたります。
何れにしても、アルコールを摂取する=肝臓がほぼフル回転=他の仕事が滞るということになります。
そして滞る仕事の1つに、「糖新生」も含まれるわけです。
そう、管理人も何度か記事にもしていますが、そういうことで、飲酒時に血糖値は上がりにくくなる、あるいは低めに推移することになるわけです。
ただし。
まず、よほどのことがない限りは危険なほどの低血糖になることはないと思って良いです。
それより深刻なのは酩酊状態になることなので、そちらの方がはるかに注意すべき点です。
それと、糖新生が滞ると言っても0になるわけではないですし、まして炭水化物を摂取していれば当然消化吸収されて結果的に血糖値にある程度反映されます。
実際にところ、肝臓は糖新生だけでなくグリコーゲンの生成も滞ることになるので、そのバランスによってはそこそこ血糖値が上がるケースとそうでないケースもあると思います。
さらには、アルコールの影響で全身の細胞もある程度影響を受けることになるので、血中の糖質をうまく利用できないケースも出てくると思います。
そうなると、一旦上がった血糖値がなかなか下がらなくなる可能性もあるわけです。
FreeStyle リブレをつけたままで飲酒をなんどもしていますが、多少の糖質摂取であれば翌日に影響は出ないものの、やはり寝ている間に血糖値が上がってきたり、起床時に高かったりもしますから、やはりアルコールの摂取と炭水化物摂取を同時に行うのは、少なくとも糖尿病やその予備軍の人にとっては、よろしくないことになると思います。
「酒は飲んでも呑まれるな」
はもちろんですが、
「酒は飲んでも糖質摂るな」
ということも言えます。
ま、お酒飲むと糖質欲しくなるんですけどねぇ・・・;^_^A
コメント
お酒と糖質!
誘惑のセットですよね~(笑)
今日も飲み過ぎ食べ過ぎ注意報の私です‼
しみさん、こんにちは!
コメントありがとうございます〜〜
管理人はいままたワイン飲んでたりします。
お互い注意きないと、ですねぇ;^_^A