【身体の仕組み】(2)糖質(グルコース)しか使えない細胞

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人の身体は様々な器官、細胞で作られています。

それらは全てエネルギーを必要としており、そのために人は食事をして消化、吸収し、様々な物質からエネルギーを得ています。

そのエネルギーの源は、ATPと呼ばれる物質です。

ATPそのものの説明はWikipediaに任せるとして、そのATPを得るために人の細胞はいくつかの物質をもとにして代謝を行っています。

細胞がATPを得るための代謝機構には主に2つあり、1つは解糖系と呼ばれるもの、もう1つが細胞内のミトコンドリアにあるTCA回路(クエン酸回路)です。

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解糖は全ての細胞内の細胞質で行われ、酵素を利用してグルコースからATPを取り出し、乳酸に代謝します。

細胞内のミトコンドリアでは、その解糖系で出来た乳酸や、中性脂肪から分解される脂肪酸グリセロールなどから出来るアセチルCoAをTCA回路内で代謝してATPを取り出します。

ミトコンドリア内で代謝されると全て二酸化炭素と水になります。

これら2つの代謝機構のうち、赤血球白血球血小板副腎髄質網膜などの一部の細胞は解糖系しか持っていないため、グルコースが無いとエネルギーを取り出せません

それ以外の細胞はミトコンドリアを持っているのでグルコース以外でもエネルギーを取り出す事が可能です。

この様に細胞の一部はミトコンドリアを持たないため、グルコースが必要なのです。

そのため肝臓や腎臓では糖新生を行って常に血糖値を一定以上に保っています。

因みに脳細胞はミトコンドリアを持っていますが、血液脳関門という機能があって、脂肪酸は脳まで届きません。

そのため脳細胞は、グルコースケトン体を利用しています。

また、心筋もミトコンドリアを持っていますが、主に利用しているのは脂肪酸で、グルコースは心筋のエネルギーの2割程度を担っているに過ぎません。

この様にグルコースを必要とする細胞は限られているため、糖質制限をしていても肝臓や腎臓が糖新生を行っている限り、低血糖になる事は無いのです。

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